Google DeepMindは、アルゴリズムの自動発見と改良を可能にする新たなAIシステム「AlphaEvolve」を発表した。大型言語モデル(LLM)を活用し、効率的かつ実用的なアルゴリズムの生成・最適化を目指す。

AlphaEvolveは「Gemini Flash」と「Gemini Pro」という2つのLLMを連携させ、前者が幅広いプログラム候補を生成し、後者がそれらを精査する。さらに、進化的アルゴリズムにより、精度や計算効率などの客観的指標で評価され、最良のものが選ばれて改良ループに入る。

このシステムは、単なる推論エージェントではなく「テスト時に演算を行うAI」として、実行中に新たな解法を模索・評価する特性を持つ。Googleのインフラではすでに実用化されており、Borgシステムの資源配分では0.7%の計算資源を節約。さらにGeminiの学習時間短縮や、GPU向けカーネルの最適化にも成功している。

また、50以上の数学的課題に挑戦し、75%で既知の解法を再現、20%ではより優れた解を発見した。特に、11次元における「キッシング数問題」では新たな下限値を打ち立て、数学的進展にも寄与している。

AlphaEvolveは、FunSearchを基盤としつつも、より広範な問題解決に対応する汎用性を備えている。

※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
THE DECODER「AlphaEvolve is Google DeepMind’s new AI system that autonomously creates better algorithms」

コメント

Google DeepMindのAlphaEvolveは、AIによるアルゴリズム開発を自動化し、従来では数週間を要した最適化作業を数日で実現する革新的な技術です。特に、ソフトウェア層の深部に埋もれた複雑な処理に対しても、人間以上の洞察力で解決策を導き出せる点が注目されています。今後は、医薬品開発や産業最適化など幅広い分野での活用が期待されています。私たちの生活の裏側で、AIが密かに効率化を進めている時代が到来しているのかもしれません。