Microsoftは、データ基盤「Microsoft Fabric」に新たなデータベース機能を追加し、エンタープライズデータの複雑性に対応する取り組みを加速させている。2023年に登場したFabricは、Microsoftのデータ・分析ツールを共通のレイヤーで統合する戦略であり、2024年にはAzure SQLのサポートが導入された。
今回、AI領域で重要な役割を担うNoSQLデータベース「CosmosDB」の統合が正式に発表された。CosmosDBは、ChatGPTやWalmartのECなど主要なAIアプリケーションで利用されており、Fabricとの連携により、インフラ管理の負担なく高速処理が可能となる。データはリアルタイムで「OneLake」に同期され、低遅延のAI応答を実現する。
さらに、Microsoftはディスク最適化型のベクトル検索技術「DiskANN」をオープンソース化し、企業向けのRAGシステム構築にも貢献している。全てのデータはApache ParquetやDelta Lakeなどのオープンフォーマットで保存され、異なるツール間でのデータ共有が円滑に行える。
Microsoft Fabricはすでに世界で21,000社以上が導入しており、その中にはFortune 500企業の70%も含まれている。オープンソース重視の姿勢と製品統合の徹底が、AI時代におけるデータ基盤の最適解として注目されている。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
VentureBeat「Why Microsoft Fabric has already been adopted by 70% of the Fortune 500 — and what’s next」
コメント
Microsoft Fabricの進化は、AI時代の企業にとって大きな武器となるでしょう。特にCosmosDBの統合は、AI開発に必要な高速性と柔軟性を確保しながら、複雑なインフラ管理を排除してくれる点で魅力的です。また、データをオープンフォーマットで統一することで、他ツールとの連携や将来的な拡張もスムーズに行えます。AI導入を加速したい企業には、まさに理想的な選択肢だと言えます。