Salesforceは、従来の汎用AIアシスタントに代わる新たな企業向けAI戦略として、Slack内で機能するタスク特化型AI「Agentforce」を発表した。これにより、業務中のSlack会話内で直接動作し、業務効率を大幅に向上させる“デジタル同僚”が実現される。
Agentforceでは、企業が複数の目的別AIエージェントを構築・展開できる。これらはSlack上の会話や社内データにアクセスし、ワークフローの実行やCRMとの連携など複雑なマルチステップ処理にも対応する。2024年6月12日からは、顧客インサイト取得、社員のオンボーディング、社内問い合わせ対応といったユースケース向けのテンプレートも提供される予定である。
AI導入に伴うセキュリティ懸念にも対応しており、AgentforceはSlackとSalesforceの既存の権限設定を尊重し、ユーザーが許可された情報にのみアクセスする仕様となっている。また、Salesforce Identityの無償ライセンスにより、非SalesforceユーザーもSlack内でAIエージェントとやりとりできる。
すでに導入した企業では、生産性向上が報告されている。たとえばSalesforce社内では、Engineering Agentが半年で1万8,000件以上の会話を処理し、年間17,000時間・140万ドルのコスト削減効果が見込まれている。
Agentforceは、Microsoft CopilotやGoogle Geminiとの競争の中で、Slackという独自プラットフォームを活かし、顧客対応から社内業務までを一元化する「AI同僚」という新しい働き方を提案している。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
VentureBeat「Salesforce just unveiled AI ‘digital teammates’ in Slack — and they’re coming for Microsoft Copilot」
コメント
Salesforceが発表した「Agentforce in Slack」は、単なるチャットボットを超えた“デジタル同僚”として注目を集めています。従来の汎用AIとは異なり、特定の業務に特化することで正確性と実用性が大きく向上しており、社内問い合わせや業務自動化に即効性が期待されています。Slackを活用している企業にとって、自然な形でAIを業務フローに組み込める点も大きな魅力です。これからの職場では、人とAIが共に働くスタイルが当たり前になるかもしれません。