NVIDIAは、COMPUTEX 2025にてヒューマノイドロボット開発を加速させる複数の新技術を発表した。中心となるのは、オープンでカスタマイズ可能なヒューマノイドAI基盤モデル「Isaac GR00T N1.5」と、合成運動データを生成する「GR00T-Dreams」、そして学習・推論・実行を担う「Blackwell」システムである。

GR00T-Dreamsは、画像1枚から仮想空間内でタスクをこなすロボットの動画を生成し、そこから行動トークンを抽出。これにより、ロボットは現実での長時間の学習を必要とせず、新たな動作スキルを獲得できる。従来のGR00T-Mimicが既存データの強化に用いられていたのに対し、GR00T-Dreamsはまったく新しいデータを創出することが可能である。

このデータは、NVIDIAのOVX(シミュレーション)、DGX(モデル学習)、HX(エッジ実行)という三層構造で循環し、物理AIの開発を加速させる。GR00T N1.5は、この新しいワークフローを活用してわずか36時間で更新されたモデルであり、工場や家庭内での物体操作、自然言語理解において高精度な成果を示している。

さらに、Isaac SimやLabといったオープンソースの開発ツール、Blackwell搭載の新型ワークステーションやサーバーも提供され、AIロボットの学習とシミュレーション基盤を包括的に整備している。

※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
VentureBeat「Nvidia charges ahead with humanoid robotics aided by the cloud」

コメント

NVIDIAが発表した新しいロボティクス基盤「GR00T」シリーズは、ヒューマノイドロボット開発に革命をもたらす可能性があります。従来のように物理ロボットで時間をかけてデータを収集するのではなく、仮想空間で無限に近い学習データを合成することができるため、開発スピードと精度の両立が実現されます。未来の産業や家庭で活躍するAIロボットの実現に、一歩近づいたといえるでしょう。