マイクロソフトは最新の開発者イベント「Build」にて、AIを活用して科学研究を加速させる新プラットフォーム「Microsoft Discovery」を発表した。これにより、従来数年を要した研究が数週間、あるいは数日で完了する可能性がある。
このプラットフォームは、自然言語で操作可能なCopilotインターフェースを備え、プログラミングの知識がない科学者でも、超並列計算やシミュレーションを活用した高度な研究が行える仕組みである。実際、同社はこのAIを用いてデータセンター冷却材をわずか200時間で発見した実績がある。
Microsoft DiscoveryはAI「ポスドク」チームとして動作し、文献レビューから実験シミュレーションまで対応。科学者が英語で命令を入力するだけで、AIが必要なエージェントを割り当てて処理を進める。化学、物理、生物学といった領域ごとに特化モデルを活用し、分野横断的な知識の関連付けも可能だ。
すでにGSKやエスティーローダー、Nvidia、Synopsysなどが導入を進めており、今後の医薬品、化粧品、半導体など幅広い分野への応用が期待されている。
また、将来的には量子コンピュータとの連携も見据えており、科学とAIの融合による新たな研究パラダイムの確立が注目されている。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
VentureBeat「Microsoft just launched an AI that discovered a new chemical in 200 hours instead of years」
コメント
マイクロソフトの「Discovery」は、科学研究の常識を大きく変える可能性を秘めた革新的なプラットフォームです。従来、研究には専門的なプログラミング知識が必要でしたが、今後は誰もが自然言語でAIを活用できるようになる時代が訪れるかもしれません。企業や大学などの研究機関にとっては、大幅なコスト削減と研究スピードの向上が期待できるでしょう。今後の展開にぜひ注目してみてください。