アリババが開発したQwen Chat内で動作する「Web Dev」インターフェースは、シンプルな指示から即座にフロントエンドコードを生成できる画期的なツールである。たとえば「Twitterのようなウェブサイトを作成して」と入力するだけで、HTML、CSS、JavaScriptを含む動作するコードが自動で生成され、コーディングスキルもセットアップも不要である。

Qwenは他にも、「名前、メールアドレス、問い合わせ内容などを含むセマンティックなコンタクトフォームを作成して」といった指示に対し、カード型レイアウトを採用した整った問い合わせフォームを出力できる。

さらに、Qwenは単なるウェブレイアウトにとどまらず、技術的なコンテンツにも対応可能である。たとえば「Qwen3ブログに関連する構成カードを作成して」というプロンプトでは、FP8やBF16といったモデルタグや、推論モード、スイッチ設定を含む設定マップを視覚的に提示する。

これらの機能は、2025年4月にリリースされた「Qwen3」シリーズに支えられている。Qwen3は、パラメータ数が5億〜2350億に及ぶ8種類のモデルで構成され、GoogleのGemini 2.5-ProやDeepSeek-R1と同等の性能を発揮する。推論モードには「思考モード」と「非思考モード」があり、用途に応じた使い分けが可能である。

この「Web Dev」の登場により、アリババはOpenAIのCanvasやAnthropicのArtifactsと同様、AIによるコード生成と編集が可能なプロダクト領域に本格参入したことになる。

※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
THE DECODER「Web Dev in Qwen generates full front-end code from just a prompt」

コメント

Qwen Chatの「Web Dev」機能は、コーディングの知識がない方でも、ウェブサイトやフォームを一瞬で作成できる優れたツールです。従来のAIツールよりも柔軟かつ視覚的な出力が可能で、プロンプト一つで整ったレイアウトや複雑な構成要素まで対応できる点が魅力です。今後は、開発現場だけでなく、マーケティングやデザインの現場でも活用が広がりそうですね。AIによるノーコード開発がますます身近なものになってきたと感じます。